(本記事は、2024年5月21日にnoteで公開した記事を再編集し再掲したものです)
This snake has a black belt of Jiu Jitsu😊
ブラジリアン柔術は「蛇の身体観」
銭育才『太極拳理論の要諦』の中で、孫子の「常山蛇」という兵法が紹介されている。
頭が打たれたら尾で応じ、尾が打たれたら頭で応じ、胴を打たれたら頭と尾の両方で応じる。
銭育才は太極拳の要訣としてこれを紹介しているが、この常山蛇こそブラジリアン柔術の特徴を最もよく表している。
私としては、ブラジリアン柔術は「蛇の身体観」だと捉えている。
蛇に準えた流派は中国武術の中にもあるが、ブラジリアン柔術ほど蛇の身体観を能く体得しているものはない。
であるが故に、実はまったくの素人よりも、他武術の経験者のほうがブラジリアン柔術習得に困難を感じるという側面がある。
他武術経験者にとってブラジリアン柔術はツライ
私もそうなのだが、足腰をしっかり作る武術をやってきた者にとって「蛇になれ」という要求は辛いものがある。
言ってみれば、陸上生物がクジラになるべく海に入るようなものだ。
私もブラジリアン柔術の学び始めの頃は、練習で生じる頭痛と吐き気に悩まされた。
試行錯誤の末、なんとか吐き気を生じないようにBJJを練習するコツを見出した。
- 寝た姿勢や上下逆の姿勢に慣れる。足回しやフラワー、三角絞めの素振りなどを普段からよく練習する。
- 目を使わない。閉眼か半眼にて、触覚を主にして練習する。
- 練習3時間前になったら食事をしない。
(水分補給や、ヨーグルトのような消化のよいものを少量食べるのは問題ない)
今や、ブラジリアン柔術は武術家・格闘家にとって「基礎教養」になっている。
知らないと話にならない。
冒頭の鷹のように、何が起こったかわからないうちにやられてしまう。
中井祐樹先生が「ブラジリアン柔術はすべての格闘技を補完する」とおっしゃるのがよくわかる。