人体には「二重渦」がビルトインされている。
これは言ってみれば当たり前の話で、物理的に言えば、「胸椎の旋転」と「腰椎の旋転」が別個に存在する。(まあ「頸椎の旋転」も別個に存在するが、それは一旦置いておく)
これは四足動物が進化する上で必要になったことで、胸椎と腰椎が同期していると歩くたびに頭が左右に揺らされてしまうので、鎖骨・肩甲骨および腕の骨が、背骨の旋転とは分離して動くように進化し、スタビライザーとしての働きを持つようになった。
人間もこれを引き継いでおり、故に複雑な肩関節をしている。
この故に、「背骨の旋転」と「胸・肩の旋転」は独立しており、これを同期させるか、または別個に動かすかで流派ごとの妙味がある。
しかし、そこが別個であるということを掴めていないと、大きな見落としを生ずる。
そこが別個であることで、背骨に基づく「内側の渦」と、胸・肩に基づく「外側の渦」という「二重渦」が存する。
この二重渦は同期して動くことも多いが、「独立して動かざるを得ない」時も多い。
さながら、水槽式の洗濯機が突然逆回転する時、水槽の水の内側が急速に逆回転になるのに、外側の水は慣性でしばらく元の方向に回転しているのと似ている。
八卦掌や国井道之伝剣術を行う際には、この「二重渦」の把握が必要となる。
