昨日・本日と、小山隆秀先生の林崎新夢想流居合・卜傳流剣術東京稽古会に参加した。
小山先生をはじめとする修武堂の皆様には心よりの感謝を申し上げたい。
今回はこれまでよりもさらに踏み込んだ内容となり、また私が最近研究していることとの不思議なオーバーラップもあり、大変に深まった稽古となった。
林崎甚助の夢が今に伝わる。林崎新夢想流居合
昨日は、林崎新夢想流居合の稽古。
改めて、居合という体系の精妙さを感じる一日だった。
小山先生が紹介してくださった伝説によると、開祖・林崎甚助は夢の中で「剣術と柔(やわら)の間に何かあるはずだ」と悟り、居合という技術を創始したとのこと。
林崎新夢想流居合は、他の多くの居合流派と異なり、必ず仕太刀(弟子)と打太刀(師匠)の2人で稽古する。
小山先生曰く、昔日の師はおそらく、会話しながら弟子の所作をひとつひとつチェックし、解説を加えていったと思われる、と。
三尺三寸という異形の刀を使い、師と弟子が向き合う中で、「剣と身体の狭間」に深く分け入っていく、そんな光景が再現されたかのような稽古会となった。
閑話休題として、光岡英稔先生が大阪でのコラボ稽古会で披露したという「林崎の術理を使ってのクローズドガード割り」もご紹介いただき、ブラジリアン柔術の研究も進めている私にとっては大変参考になった。

正と奇の狭間に「生・妙」あり。卜傳流剣術
そして本日は、卜傳流剣術。
塚原卜伝が体得していた「鹿島の太刀」、そして悟り至った「一之太刀」とはどういうものか。
それは「今ではどういうものかはわかっておらず、歴史の霞の向こうに消えたもの」であると小山先生。
ただ、この卜傳流剣術を学ぶにつけ、この津軽に伝わる異質な剣術こそが、実は「一之太刀」に最も肉薄しているのではないか…と、私も感じでいるところである。
卜伝は「正と合わせ、奇で勝つ」という言葉を残した。
稽古の中で見えてくる「正と奇」とは、まさしく私が昨日示したブログ記事の内容とリンクしてくる。



特に今回は、従来の大太刀の型に加え、貴重な小太刀の型もご紹介いただいた。
九寸五分の小太刀が身体から引き出す力に驚く。
小太刀でもやはり「刀に従う」のが第一の要訣であろう。
ただ刀が小さい分、それは外形的には体術として立ち上ってくる。
小太刀のほうが、見ていての驚きは大きいかもしれない。
林崎新夢想流居合や本覚克己流柔術といった失伝流派の復興、そして350年に及ぶ卜傳流剣術の伝承に尽力する小山先生と修武堂の皆様のおかげで、このような貴重な古伝を学ぶことができる。
再度の感謝を申し上げるとともに、次なる学びの機会を楽しみに待つ所存である。
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